こんにちは!INDEXの食べ動く美容師がモットーの柴田卓です^ ^
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ヘアドネーション
ヘアドネーション
とは、小児がん患者で抗がん剤治療の影響で、ウイッグを必要としている方々の為に髪の毛を寄付する活動です。
先日もご紹介させていただきましたが、今回は小学4年生のお子様が同じように来てくださいました。
僕は今回この小学4年生のお客様にめっちゃ心を打たれたのでご紹介させていただきます。
何が心を打たれたかというと、予想外の展開にヘアドネーションをするか【迷い】が生まれ、その【迷い】をその場で振り切ったんです。
【迷い】があるという事は【葛藤】があったという事です。
具体的には、元々はヘアドネーションの為に伸ばした訳ではなく、ヘアドネーションの事は後で知ったそうです。
そして、知ってからヘアドネーションをやろうと思い、いよいよ【人生初の美容室】にいらっしゃいます。
『今日はバッサリ切って髪を寄付するぞ!』
と肩下くらいのミディアムボブスタイルにするイメージでご来店です。
そしてお母様と一緒に担当の美容師(僕)とカウンセリング。
ヘアドネーションは、最低31㎝以上の長さが必要な為に正確な長さを図る為に定規を持ち出してのカウンセリングです。
するとその美容師(僕)から衝撃のひと言。
僕:『肩下くらい長さに切るならヘアドネーションには長さが足りないです…襟足ギリギリのアゴより上くらいまで切るか、もう少し伸ばしてから切るか…どうしましょう?』
お客様:『え…』
僕:『もしくはやりたいヘアスタイルに今日するならヘアドネーションは諦めるか…になってしまいます…』
お客様:『そうなんですね…』
僕:『短い髪であれば、部分ウイッグなどにして販売して、その売上が寄付されるという形もありますが、そうすると伸ばした髪の毛自体が小児がん患者の子供達のウイッグに使われる訳ではなくなってしまいます。』
そういうケースもあるのでそのお話もさせていただきました。
つまり、
- 希望のスタイルより短いスタイルにしてヘアドネーションをする
- 今回のカットは見送りもう少し髪を伸ばしてから切る
- 希望のスタイルにしてヘアドネーション(髪をウィッグに使われるの)は諦める
という選択肢になりました。
ずっと伸ばしてきて、切ったらやりたいと思っていた髪型。
これを諦めるのは小学4年生の女の子の【乙女心】からしたらめちゃくちゃ重要な問題だと思います。
小学4年生という若さで芽生えた【誰かの為に寄付したい】という【善意】の心
お母様もそういった心を大切にしたいというお気持ちもあった感じでとてもデリケートにお子様とも話していらっしゃいました。
最終的には優先順位を付けなきゃいけないんですが、複雑な心情が絡むめちゃくちゃに悩ましいカウンセリングでした。
僕としては、正直両方叶えるならば2の今回は見送るのが、無難な選択かなと心の中で思っていました。
でもまだ口を挟むところじゃないなと思い僕の意見は言いませんでしたが…
はっきり言って正解はないしどれも正解だし、僕は考えやすく整理するくらいしか出来ず…
そして様々な葛藤の中、
『短く切る!』
とはっきりと!
そう、はっきりとおっしゃいました!
その口調は悩みを払拭してしっかりと決断したのが伝わってきました。
『よく決断したな…凄い…』
と思いながらカットに入らせていただきました。
ヘアドネーションは乾いた髪で出来ればブローしてあった方がいいというのがあります。
少しクセのある髪質でしたので、出来るだけ長さも残せるようにアイロンで伸ばしてからカットに入りました。
こちらを
アイロンでこうして
ここから
バッサリ
切ってくうちにヘアスタイルも気に入ってくれて、
『短い方が好き〜』
と^ ^
初めての美容室でかなり緊張してたそうなんですが、だんだんとリラックスしてくれて楽しく話もできて、凄く美容師やってて良かったと思えた時間でした。
僕も子供を持つ親として、子供に対する教育や道徳的な部分を伝えることはとても神経を使います。
僕の価値観はあくまで僕の価値観だし、押し付けになっていたら良くないけど、僕自身今まで生きてきて伝えたい事は沢山あるし…
親や大人も発展途上なのでしっかり向き合って考えていきたいです。
という事よりも今回の決断と、その後しっかり切り替えて【初美容室】を楽しんでくれていた感じに凄く感動しました。
本当に来ていただいてありがとうございましたm(_ _)m
こちらの大切な髪の毛はしっかりと届けさせていただきます。
ありがとうございました^ ^